しばれる快感
この前思いたって、一人で青森旅行に行ってきた。
津軽弁でしばれるという方言がある。凍てつくという意味だ。このしばれるといのはよくできた言葉だ。まさに津軽の寒さはしばれるものだった。
津軽の寒さは、重大なる過失を持って私を内に内に沈めて行く。私は自身でその意思を持って、やむを得ずというような顔をして自身をしばっていく。
彼は、真実においては、嬉々として自身をしばっている。津軽の凍てつく風に大義名分をえた気分になって。
津軽のしばれる寒さは、私に意識の散乱を許さない。あらゆる感情がある一点に向かって走っていく。
彼は、自身の欲望を成就させるために、恍惚の表情で彼自身をしばっていく。
なぜなら感情の濃度の高いある一点は快楽となるのだから